Richard O. Norton, 1998 (2nd ed.), Rocks From Space (P55-P63)
| 隕石は年間を通していつでも地球の大気圏に進入してきますが、火球が発見されやすい時期というのがあります。1800年から1960年までに記録されている581回の落下のうち、5月と6月に非常に多く落下しており、それから12月まで数はくだる一方、そして3月で最低を記録してます。このデータは北半球でとられているため、どうやら季節と関係がありそうです。北半球では12月から3月までの非常に寒い時期は外に出る人が少なく、そのため目撃も少ないのだと思われますが、他にも理由はありそうです。なぜなら、春と秋の目撃数にはあまり違いがなくてもよいはずですが、実際は大きく差があるためです(田中注:グラフによると春のほうが多いです)。隕石学者たちは、これは宇宙における流星体の分布に大きく影響されていると考えています。地球の軌道の中で、北半球が夏になる位置に流星体が密集している可能性があります。 | ![]() |
| もし隕石が落下しやすい月や季節があるのであれば、隕石が落ちやすい時間があると考えるのは当然でしょう。アメリカの隕石学者フレデリック・レオナルドが作成したグラフによると、15:00 頃にピークがあり、12時間後の 3:00に逆のピーク(田中注:つまり最低)があります。一つ目の理由は簡単ですね。人間は昼行性なため、真夜中の3時に起きている人はすくないでしょうし、ましてや外にいる人などはほとんどいないでしょう。逆に昼の3時であればほとんどの人が活動している時間です。ピークは単純に人間の活動レベルに連動しているようです。しかしながら、隕石学者の多くはもう一つの説明もしております。第2章では『地球の軌道における位置が、大気圏での隕石のスピードにへの影響』について書きましたが(田中注:このページの下を参照)、昼の12時から夜の0時までは地球にぶつかる流星体は地球と同じ方向に向かっており、スピードは最も遅い状態です。夜の0時から昼の12時にかけては逆になり、地球と流星体は真っ正面からぶつかることになります。大気圏突入時のベロシティーが速ければ速いほど流星体が生き残る確率も低くなるので、朝目撃された流星体はより生き残っている確率が少なくなります。どうやら落下する確率よりも、生き残るかどうかの方が問題になっているようです。 | ![]() |
| 隕石が落下した場所を探し当てるには、有用な目撃情報が必要になります。火球の状態の目撃情報が一番重要です。流星の高度が経路に沿って、最低でも2カ所からわかっていれば、火球の正しい経路、軌道がわかるからです。これによって、飛行の方向と落下する角度がわかります。火球が空を飛んでいるときね目撃者が見ているのは本当の経路ではなく、目撃者のいる地上からの視覚的経路です。こうした目撃が2つ同時に行われれば、実際の経路と本当の方向、だいたいの落下角度を割り出すことが可能です。 | ![]() |
| 火球の飛行経路がわかったら、次のステップは高度を突き止めることです。空中にある流星体の位置は一カ所からの目撃ではわかりません。最低でも2カ所からの目撃が必要になります。理想的には、数人の目撃者が高度と流星の方位角を予測することです。これが不可能な場合は、各目撃者は慎重に自分の現在位置と火球の位置ををマークします。火球の位置は背景にある、遠くの山、近くの建物、または木などを利用すると良いでしょう。実際の方位角と高度は、後で調査員が推定することができます。 一般に目撃者は、火球が光っている間の飛行経路のうち、最初は気付きませんが、光り始めからリターデーションポイントの途中で気付きます(リターデーションポイントとは、ライトが消えるポイント)。リターデーションポイントが最も重要なポイントです。このポイントで流星体はコスミックベロシティーを失い、重力で地球に落下するからです。リターデーションポイントから真下の地上の地点 は、数学的か、幾何学構造から決定することができます。一般に、流星体はその地点から、もとの飛行経路と同じ方位角にたった何マイルかのところに落下します。 | ![]() |
| 隕石をリカバーする(田中注:落下後に発見する)には、エンドポイントの目撃が重要です。エンドポイントはリターデーションポイントかその近くで、火球はすぐに見えなくなり、流星は地球(田中注:地上)に急降下します。エンドポイントにおける方位角の予測を地図にプロット(棚注:描画する、書き込む)することで、落下したであろう地域が予測できます。もし、1ダース以上の数のエン ドポイントにおける方位角予測が、数マイル離れた場所からの目撃によってできたなら、各線は複数の位置で交差します。交差点を集めるとだいたい楕円形になっています。そこで隕石を探します。これは、落下したであろう位置のだいたいの予測です。隕石のリカバー後にプロットすることで、落下地点はさらに正確になります。 | ![]() |
火球の方向と高度を正確に認識することの重要性を強調してきました。この情報は、流星体の正しい軌道、高度、そして落下エリアの予想を立てるのに使用されます。他の目撃情報は、落下の特徴、物質的な特徴について確定するのに役立つかもしれません。隕石は一瞬の遭遇でいなくなってしまいます。もしみなさんが火球を目撃するようなことがあったなら、みなさんの情報の正確さに、隕石がリカバーされるかどうかがかかっています。覚えていることを、何でも良いので、書き留めておく必要があります。